排外主義的ナショナリズム・血統ファシズムを煽る政治結社・琉球民族独立総合研究学会

沖縄の保守党派は多くの問題を抱えていますが、うるま市長選は民主主義が勝利した結果だと思っています。

四つの市長選の結果を受けて、沖縄にゆっくり広がりつつある「独立運動」をあらためて検証・批判する必要があると考えています。琉球新報を筆頭とする地元メディアや一部の本土メディアが、この種の独立運動を煽る傾向が強くなっているからです。

以下、2013年に設立された「琉球民族独立総合研究学会」の設立趣意書からの抜粋です。

琉球民族の独立を目指し、琉球民族独立総合研究学会を設立する。本学会の会員は琉球の島々に民族的ルーツを持つ琉球民族に限定する。本学会は「琉球民族の琉球民族による琉球民族のための学会」である。

日米によって奴隷の境涯に追い込まれた琉球民族は自らの国を創ることで、人間としての尊厳、島や海や空、 子孫、先祖の魂(まぶい)を守らなければならない。新たな琉球という国を創る過程で予想される日本政府、日本人、同化されてしまった琉球民族、各種の研究者等との議論に打ち勝つための理論を磨く。

出典:琉球民族独立総合研究学会HP

そもそも「奴隷」という言葉の用法は完全に間違っていますが、自らの境遇を「奴隷」と位置づけ、学会の活動を人権・財産処分権・経済権などの回復を含めた「奴隷解放運動」と位置づけています。この趣旨に賛同しない沖縄県民は「同化されてしまった琉球民族」として区別されています。

「自己決定権」の意味を精査することもなく「(琉球民族という)血の証明」を持たない者を排除するこの「学会」が政治結社であることはいうまでもありません。

彼らは「世界平和の要になるのは非武装琉球である」とも主張していますが、以上のような姿勢を「排外主義的で偏狭な琉球ナショナリズム」「差別の連鎖を生む血統ファシズム」と呼ばずして、なんと呼べばいいのでしょうか。

もちろん、彼らの運動は「武装蜂起」や「テロリズム」などを掲げていませんが、自らの「被差別的地位」を強調することで、「ヤマトーンチュ」や「同化琉球民族」に対するあらたな差別の種を許容して平気な政治結社に、「沖縄の未来」や「世界平和」を語る資格があるのでしょうか? むしろ、ナチス・ドイツによる暗黒の歴史すら思い浮かべてしまいます。

「反社会的」ともいえるこのような政治結社が発する論理を躊躇なく利用して活動する知事や社民党・社大党・共産党の姿勢も糾弾されてしかるべきでしょう。

不信と不安の思いは募りますが、私たちは「民主主義」を信じて、彼らのような排外主義的ナショナリスト、血統ファシストと闘うほかありません。

批評.COM  篠原章
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