名護市議選等の選挙結果と沖縄県知事選

9月9日に投開票された沖縄県の統一地方選のうち最も注目されていた名護市議選についてコメントしておきます。

改選前議席は27ですが、今回は定数減の26議席を32人の候補者が争いました。注目されたポイントは、「辺野古反対」の先頭に立っていた稲嶺進氏を破ってこの2月に市長に当選した渡具知武豊現市長の与党会派が、議会で過半数(14議席)を占めていた野党会派(旧稲嶺派)を上回るか否かでした。

投票率は過去最低の65.04%。最終的に与党会派13議席、野党会派13議席の同数。渡具知市長にとっては、これまで同様厳しい議会運営がつづくことになりそうです。与党会派のうち2名の公明党の議員(大城秀樹議員・金城善英議員)は「辺野古反対」の立場を表明していますので、この問題については「15:11」となります。

保守系与党会派の「勝利」とはいえない選挙となりましたが、与党系得票率(落選者を含む)は53.86%、野党系得票率は46.14%(同前)と前回の名護市長選の選挙結果(オール沖縄敗退)に対応しています。名護市議選を見るかぎり、「翁長弔い選挙」の影響は出ていないと判断できそうです。

ただし、投票率がきわめて低かったことから類推するに、知事選は盛り上がりを欠いた選挙になる可能性があります。「翁長弔い選挙」は有権者を遠ざける傾向があるのかもしれません。

ちなみに、沖縄市議選の投票率は49.64%と過去最低を記録しました。知事選の予定候補である玉城デニー氏の地元におけるこの「無関心」の影響が知事選まで残るとすれば、「翁長弔い・デニー旋風」は起こらないと予想できます。「オール沖縄」はこれまで以上の危機感をもって知事選に臨まざるをえないでしょう。

自治体の議員選挙の結果が、県知事選に直結するわけではありませんので、他の議員選挙の結果も分析しつつ、今後の動向を見守りたいと思います。

【追記】
自公維新の知事選予定候補者・佐喜真淳前市長の与党が議席を増やした宜野湾市議選の投票率も52.82%と過去最低を記録しました。こちらでも「オール沖縄」の予定候補者である玉城デニー氏にとって有利な材料は今のところ見いだせません。

 

名護市議会議員選挙 開票結果

名護市議会議員選挙 開票結果(批評.COM作成)

批評.COM  篠原章
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