新型コロナウイルスの国・地域別死亡率(3月9日現在)

公表された数字を使って新型コロナの国別死亡率の順位を作表した(ここでの死亡率は、死亡者÷感染者の単純な比率)。データはWikipediaの集計を主に参照している。この数値・ランキングは、専門的見地からの分析に耐えうるものではなく、あくまで公表数値を加工した暫定的なものにすぎない。

新型コロナウイルス国・地域別死亡率

国によりかなりのバラツキがあるのは、一般的な防疫対策の進捗状況だけではなく、医療システムのレベルと特性、民族的な体質や特徴、労働のあり方、生活習慣、気象条件、都市の構造などさまざまな要素が国により大幅に異なるからだろう。

数字が悪いからといって「対策の遅れ」だけで片づけられないが、イタリアの死亡率が中国より高いところがもっとも気になる。反対にドイツなど上位10ヵ国における死亡率の低さは特筆に値する。敬意を表しても良いかと思う。とりわけ、感染者千人を超えながら死亡者ゼロのドイツには驚く。防疫・治療の実態を知りたいものだ。メディアは取材に行っているのだろうか?

なお、日本国内の感染者数・死亡者数とダイヤモンド・プリンセス号の感染者数・死亡者数は分けて掲載している。両者を合わせた死亡率は1・17%である。日本は上位十傑のような優等生グループではないが、中国や米国の現状と比較すれば、とくに批判を受けるほどの状況にはない。

参考)新型コロナウイルスの国・地域別感染者数

【補筆】本日9日夜遅くになって、日本のデータが更新された(日本経済新聞などによる)。それによれば国内感染者507名(死者9名/死亡率1・78%)、クルーズ船感染者703名(死者7名/死亡率1・00%)、チャーター機帰国者15名(死者ゼロ)となっている。ここに掲げたすべての感染者は日本で治療を受けているという理由から合計死亡率を算出すると1・31%となる。

 

批評.COM  篠原章
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