月刊「正論」9月号:今月の「ますらおの歌」は「燃ゆる大空」

月刊「正論」9月号(2022年8月1日発売)の連載「ますらおの歌」は「燃ゆる大空」。

日中戦争のさなかに製作された同名映画の主題歌として企画され、1940年に発表された。作詞は詩人の佐藤惣之助、作曲は指揮者で作曲家の山田耕筰である。

作詞の佐藤惣之助は、「赤城の子守唄」(1933年)、「人生劇場」(1938年)、「阪神タイガースの歌」(別名「六甲おろし」)でも知られる売れっ子作家。作曲の山田耕筰は、「からたちの花」「この道」「ペチカ」「待ちぼうけ」「あわて床屋」、「赤とんぼ」などで知られる重鎮だが、軍歌の作曲も多数手がけている。

「燃ゆる大空」は、山田の作った軍歌のなかでも最高傑作といわれており、ドイツ風の勇壮なマーチに載せて、佐藤の雄々しく溌剌とした歌詞が藤山一郎によって格調高く歌い上げられており、途中で挿入される混声合唱やハミングも明るく力強い。結果として1940年を代表する大ヒット曲となった。

 

 

批評.COM  篠原章
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