外国特派員協会での翁長知事スピーチと質疑応答(全文書き起こし)Vol.2

Governor of Okinawa, Mr. Onaga's Speech, Questions and Answers at the Foreign Correspondents' Club of Japan (Full Texts) Vol.2

2015年5月20日13時より、東京の外国特派員協会(FCCJ)において、翁長沖縄県知事の講演・質疑応答が行われました。以下、その全文を掲載します。元データはVideonewscom、英語の訳文はFCCJが用意した同時通訳に依拠しています。聴き取りは批評.COM。なお、明らかな事実誤認や曖昧な点については、批評.COMが論評を付しています。(背景色グレイ着色部は批評.COM)

外国特派員協会での翁長知事スピーチと質疑応答(全文)Vol.1 からの続き

司会: ありがとうございます。 スピーチをありがとうございます。 非常に手短にお話し頂きまして、ありがとうございました。中には45分くらい話す方もいらっしゃいますので、とても手短にお話し頂きまして、質疑応答の時間がたっぷりできました。 ということで、まずはワーキング・プレースからの質問を受けたいと思います。では、マイクのところまで来て、名前を所属をおっしゃって下さい。 スピーチはしないでください、質問は手短にお願いします。 スピーチをされる場合は、途中で遮りますので、よろしくお願いします。

質問者:ドイツのシーグモントです。 オーシャンニュースペーパーに寄稿しています。 沖縄は第二次大戦の大きな被害を受けたとおっしゃっています。沖縄の人たちの現在の抗議を見てみますと、沖縄はまだアメリカで70%ほどの米軍施設が沖縄に集中しております。 すなわち、紛争が起きると沖縄が敵の攻撃の主要な標的になるのではないでしょうか。しかしそれについて、政治的な議論がありません。 沖縄が再び大きな犠牲の地になるということが議論されていません。何故これが議論されていないのでしょうか。 何故このポイントというものが指摘されていないのでしょうか。教えてください。

翁長知事:新辺野古基地が候補地に挙がったときには、アメリ カのジョセフ・ナイさんとかマイク・モチヅキさんなどがですね、海兵隊はもうここに置かん方がいいのではないかと、何故かというと今中国のミサイルも大変発達しているので、万が一があるとあまりにも中国に近すぎてですね、ミサイルの何発かが普天間飛行場や嘉手納飛行場にぶつかったときには、沖縄県民の生命もさることながら、米軍の軍人軍属も危ないですよと、だからグアムとハワイとかにですね、下がって、もう一回抑止力というものを考えてください、というのがアメリカの考え方としても2、3年前まであったんですが、残念ながら沖縄の前知事がですね、承認をしてしまったもんですから、それがいわゆる免罪符になってですね、アメリカ側もだいぶそういう考え方になっております。

しかし沖縄県からすると今おっしゃったようにまさしくですね、70年前にあのようにして10万人も沖縄県民がなくなった、そして2か年後にはサンフランシスコ講和条約でですね、あれだけ日本という国に尽くしたこの沖縄県をで すね、さっさと切り離してですね、独立をしてしまった。

で、残された沖縄は、日本人でもないアメリカ人でもない中でですね、27年間無国籍人でですね、私たちも過ごして参りました。そういったこと等を考えますと、今一度、万が一があったときには沖縄がまた切り離されるのではないかと、あるいはまた10万人亡くなるのではないかと、こういう恐怖心を持つのは沖縄の人間としては当たり前でありまして、その件について日本政府が全く日本の防衛という視点からしか物事を発信しない、そういったものの中で、沖縄の声が地元では結構あるんですが、中央のメディアではそういうことは一切無視をされておりますので、私たちからすると、本土の方々にご理解を得るというすべがないという、この意味での悔しさはあります。悔しさはありますが、今日このようにして皆様方の前で、お話が出来ました。

それから、安倍さんと菅さんと中谷防衛大臣とお話しをしましたらですね、各種のメディアの世論調査では、(辺野古移設支持を)10ポイントほど(上回るかたちで)新辺野古基地を作ってはいけないという本土の世論調査(の結果)が出ております。どの新聞でもそうなっております。 ですから、本土の方もやっと理解してくれたなぁと、気持ちからすると、今日この特派員の場所で考えを申し上げられるのは大変にありがたいなぁと思っております。

質問者:先程仲井眞知事のお話しをされたのでございますが、2010年の選挙におきましては、彼は辺野古に反対してたんでございますけれども、これはきっと 圧力を受けて考えを変えたと思うんですけれども、どのような圧力を彼は受けたんでしょうか。よくご存知の方だと思いますが。

翁長知事:4年前というか、2010年のときには、私が選対部長をして、県外移設というときにですね、ご一緒して選挙をして仲井眞さんが当選をいたしました。2か年半は 全く同じ考え方と発信してやっておったんですが、最後の1か月でですね、あのように考え方を変えたということは、私にも相談してからやるという話もしていたんですが、全く相談のないまんまですね、あのような形で変わりましたので、私からするとそのいきさつは分かりません。

質問者:日本語で質問いたします。ビデオニュースのジンボウと申します。先程の日本記者クラブでも知事はおっしゃりましたけれども、沖縄どうするんだって聞かれるとですね、日本の問題なんだから、みなさんの問題として考えてくれと先程おっしゃってましたが、それを承知の上であえておうかがいします。 政府が辺野古の方針を転換しない、という場合に、沖縄としては今後どのような選択肢があるとお考えになっているのか、最後は沖縄独立論のようなところにまでいかれるおつもりがあるのかどうか、というのが1点目。もうひとつが、先程の質問と一緒ですが、じゃあ本土の人間がですね、沖縄を何とかしたいと思っている人もいると思うんですが、その時にどのようなことが可 能か、あるいはどのような事を本土の人々に知事としては期待する、望まれるか、その2点をお願いします。

翁長知事:日本の国の問題ということでですね、私が話をして、それでも物事が前に進まない場合には独立論でいくか、という話が1番目にあったのかと思います。この今の問題なんですけれども、沖縄はですね、今たしかに日米両国という大きな権力を相手にしてですね、小さな島の沖縄が、これと戦うというのは大変なことであります。しかしさっき歴史で申し上げました27年間の米軍の政権下でですね、銃剣とブルドーザーで土地を奪われて、そしてプライスさんというアメリカの下院議員が来て、プライス勧告と言ってですね、この奪い取った土地を強制的に買い上げをするということになったんです、1956年ごろですね。その時に沖縄は裸足で芋を食べながら生きてるような貧しい生活でしたから、喉から手が出るほどとってもお金が欲しかったんでしょうけれども、それでも保守 も革新も関係なく、みんなで心を合わせてですね、今の権力よりもずっと大きなものをですね、跳ね飛ばしてですね、その土地を売らなかったんです。

ですから今の沖縄の土地はですね、基地は、全部どっちかというと民有地と行政が持っているわけですね。 ですから、反対という話が出来るわけなんです。 そういったものがありますので、私はこの新辺野古基地は今のやり方でいきますと、出来ないと思っております。これは私たちが変なやり方をするとかではなくて、私は必ず出来ないようになるだろうと思っております。 しかしながら、どういう理不尽なやり方で、建設をするかというのはまだ見えませんので、そういうことは、これから予測をしたりするのはですね、大変僭越でありますから申し上げませんが、まぁ、独立というのはですね、これは議論としてはありますけれども、実際上はなかなか簡単ではないというのはわかりますが、じゃ、それがないということになるとね、沖縄放っとけということになるのであれば、えー、そういう決意もないところにはもっと基地を置いておけ、とい うことになるのであれば、それはわかりません。 私たちも生きる権利がありますし、尊厳ももっておりますし、なんで本土のみなさん方は自分のところで基地を預からないで沖縄に74%も押しつけるかっていうですね、日本の国の安全保障は日本国民全体で負担してくださいよ、と。仮想敵国からしてもですね、沖縄県だけに押しつけているような日本の安全保障は見透かされてると思いますよ。ですから私は、サンフランシスコ講和条約で切り離されたように、沖縄はもう一回切り離されるんじゃないかと、沖縄が独立するというよりは、日本が切り離すんじゃないかというそういった心配の方がむしろあるわけでありまして、この辺のところはしっかり見て頂きたいな、と思います。

(2点目について) 実は今、辺野古基金というのをやりましたら、7割の方が本土のところからお金が、支援がきまして、今2億円超えております。3億円に手が届くのも間近だと思いますが、辺野古の支援としてですね、今、本土の方々が沖縄県民といっしょになって支援をしているということがひとつござ います。そういったこと等が出てまいりますと、今まで無関心無理解だった本土の方々もこういった所での議論を聞きながら、あるいは安倍さんや菅さんや中谷さんとの議論も聞きながらですね、「あ、これは変だよね」と小さな沖縄県に戦後70年間もまして日本のために10万人も県民が地上戦で亡くなって、そういう風に日本国に尽くして、日本国を思っている人々をですね、このような形でこれからも延長するというのがぼくは日本国の品格としてどうかなと。いわゆるアジアのリーダー、世界のリーダー、国連でももっとしっかりとした地位をしめたいという日本がですね、自国民の人権も平等も民主主義も、そういったものも守ることが出来なくて、世界のそういったものの価値観と共有することも出来なくて、これからリーダーになれるかというと、私はそうはならないと思います。

ですから、そういったことに気付く方々がおられましたら、日本の安全保障は日本国民全体で考えるということをよくよく理解しながらやりませんと、今の新辺野古基地が出来なくなった場合の日米安保体制、日米同盟のですね、危うさというものが私には見えてまいります。私は自由民主党の出身ですから、日米安保の大切さはよくわかります。 しかしそれを新辺野古基地とですね、認めるというのとは全く違うと思います。 私は沖縄の自由民主党でありますから、何よりも沖縄の将来の子や孫のために沖縄がどうあるべきかということを一番考えるのが私の仕事でありまして、その中で日本との全体との調和も考えていきたいと思っております。

司会:私の方から質問させていただきます。 辺野古は日米の担当者は、基本的にはもう辺野古は決まったものだと多くの方たちが認識していると思います。ワシントンの方たちも多くが考えていると思います。なので、その段階でなぜ米国を訪問するつもりなんでしょうか。どういう目的がありますのでしょうか。

翁長知事:私が行く前に日米首脳会談がありまして、オバマさんと安倍さんが共同声明を出しました。2+2も出しました。 で、辺野古が唯一だというアメリカの下院の決議もございました。ま、そういうさなかに行くわけですから、大変厳しいものを感じておりますけれども、それでも先ほど申し上げましたように、あの辺野古に基地を作るというの はですね、簡単ではないんです。ジュゴンが住んで、そして美しいサンゴ礁があって、たくさんの魚が住んでいて、そういったところを埋め立てて造る、その作業たるやですね、大変な作業になるわけで、なおかつ知事の権限、名護市長の権限、いろいろございます。 法的な措置もいろいろございます。 あそこに土や石を運ぶためにですね、どれだけのトラックが使われるかというと、10トンダンプが10万台、1年かけてあそこに埋め立てに走るんですね。こんなものが世界の、今皆さん方が世界の代表だと思いますから、メディアの中でインターネットで、世界に知らしめられたときに、本当に日本の国が民主主義国家として世界から尊敬され、そして愛されるかということになると、私は、その受ける大きな痛手というものが格段にあると思います。

なおかつ2,3日前に35,000人集まったように、あのように年配の方々や若い青年たちが、男女が集まるような者が、もしそういうような事態になったら、 おそらく今100名規模ですけれども、1,000名規模で辺野古に行くと思います。辺野古に行っての反対の集まりというのはですね、これはとてもとても海上保安庁や機動隊で止めるようなことは簡単でないと思います。なおかつあの美しい海であります。

こういったこと等を考えますと、絶対に作らせないという事をですね、アメリカには伝えたいんです。あなた方が決めたから出来ると思ったらそれは間違いですよ、と。「あなた方はこれは日本の国内問題だから、おれたちは知らんよ」とぼくらが行くと必ずそう言います。ところがこれは辺野古がダメになったら、日米同盟が崩れるということからしますと、これは国内問題ではないんですね。アメリカさんは、私からすると、今度の日米首脳会議でもあんまり辺野古には言及してない感じがいたします。本当は、その意味からいたしますと、嫌々ではないのかなぁと、私は推測しておりますけれども、しかしながらそういったものの中でですね、色々あったんでしょう、そういう事を私はまず、出来ないということを伝えたいという事と、私自身が安保体制というのを十二分に理解をしている、その十二分に理解しているからこそ、こういう理不尽なことをして日米安保体制を壊しちゃいけない。日米安保の品格のある、誇りあるものを作り上げて、そしてアジアの中で尊敬される日本、そしてアメリカも太平洋国家として尊敬されるアメリカ、こういうものにならなければ、私はこの平和の中にアジアの経済がさらに安定するということはないだろうと。

ですから、沖縄の将来の目標は、東西1000キロ、南北400キロの中に160の島々があって、40の有人の島がありますけれども、将来は平和の緩衝地帯としてですね、この場所があってもらいたい。いわゆる日本の防衛とか、そういうことで基地をたくさん置くのではなくて、平和の緩衝地帯として沖縄が役割を果たせられる、アジアと日本の架け橋になる、こういったことを夢見ながら、今やっているところであります。

質問者:ハイサイ、オナガサン、FCCJにようこそ。私の質問は「日本の独立という神話」というものです。先程、日本の歴史についてお話をされましたけれども、16世紀に豊臣秀吉が沖縄に中国、朝鮮への進攻を支持してほしいと頼みました。そして、薩摩藩からのプレッシャーもありましたけれども、しかしながら、この支持は出来ないということだったので、結果的に豊臣秀吉が負けたわけなんですけれども、これが400年経って同じ状況にあると思います。沖縄がアメリカの基地を持っている、こうした将来の経済の発展を考えますと、中国との関係があるので秀吉の求めには応じなかったわけですが、今日、沖縄がアメリカ軍の基地がなく経済的にもサバイバルできるとお考えでしょうか。

【批評.COM:質問者は、秀吉の朝鮮出兵の際に、琉球国が秀吉の求めるような兵力や軍事物資を供出しなかったことが朝鮮での敗退につながったという認識を持っているようだが、もちろんこれは間違いである】

翁長知事: 朝鮮のときの豊臣秀吉さんの…秀吉さんと言っていいのかわかりませんが、このぉ、やるときに、確かにこの沖縄は、琉球は、断ったわけであります。 武器のない島ですので、そういった意味からすると参加することは不可能であった。 その代わり、相当サトウキビ含めてですね、いろんな形でお金を出したと聞いております。 今、日本の独立の神話という話がありましたけれども、私が「日本の独立の神話」と3日前に申し上げたのはですね、戦後27年間米軍の政権下にあって、その時のキャラウェイ高等弁務官が沖縄の自治は神話であるという話をして、私たちの人権あるいは自由、平等、そういったものが保障されませんでした。で、保障されない中で私たちは色々工夫はしたんですけれども、なかなか良い形での解決はその時もございませんでした。

で 今、沖縄から見てみますと、沖縄は米軍基地の73.8%がありますので、いわゆる日米地位協定というものがどういう内容かっていうのがよくわかるんです。今、辺野古に基地を作ろうとしている時に、フロートといって、他の人に邪魔されないものを作ってるんですね。でそれを、いわゆるサンゴ礁を45トンもする、アンカーの代わりに45トンもするブロックを使ってるんですね。この工事はサンゴを壊してるんじゃないかと調査さしてくれと言うんですけれども、米軍が日米地位協定を盾にとりましてね、沖縄の人がそういう調査をする合理的なものはないから運用の邪魔だからと調査させてくれないんですが、工事の作業船はみな入ってるんですね。海上保安庁の警備船も入ってるんですね。防衛局の調査船も入ってるんですね。 沖縄の調査船は入れないんですよ。こういうことが、私はあの銃剣とブルドーザーで基地の建設が始まりつつありますよ、と言っているのはそういうことなんです。そうすると、沖縄の調査船も入れないような日米地位協定、これは犯罪もみなそうです。もう27年間の統治下の時には余計大変だったんですけれども、それでも日米地位協定というものがいかに日本を縛っているか、防衛局に抗議に行ってもですね、何にも出来ませんよ。ただ「米軍に伝えます」と。これだけです。沖縄大使に言っても「米軍に伝えます」と。これだけの当事者能力が日本にないのを見ますと、もしかして日本の独立は神話だとアメリカが言っているのではないかと、こんな感じさえ受けるんですね。

本当にそういうことで、日本の誇る日本の平和を、美しい国日本をいうものがですね、本当に出来上がっているのか、あるいは出来上がろうとしているのか、もっと自分の力でしっかりと地に立ってですね、自国民を愛して、そしてその中から安保を作って、日米同盟を作って、誇り高いアジアのリーダーとしての日本というものを作って頂きたいと、こういう風に私は思っているわけでございます。

経済的に言いますと、もう基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因になってるんです。 終戦直後は、GDPの50%ありました。27年後の復帰するときには、基地関連収入は15%まで落ちてます。今どれだけかと言いますと、4.9%です。沖縄のGDPの4.9%。で、基地がある中で、沖縄の経済がどのように阻害されているかといいますと、那覇市の新都心なんかみますと、52億円の軍用地料がありまして、25年前に返された時には地主さんは、「あぁ、これを返されたら、ウチは生きていけるかねぇ…」等と言っておったんですが、私が市長になって15年前に区画整理をして町ができました。どういう風に変わったかと言いますと、52億円が600億円に。雇用は180名しかいなかったんですよ、芝生を刈ったりね、米軍の家を直して歩いたりね。 180名しかいなかったんですが、今1万8000名。100倍働いているんです。そして税収は6億円から97億円。15倍に増えてるんですね。基地がなくなると、今沖縄は大ーきく発展するんです。基地関連収入なんて、沖縄からしたら、今はもう問題でないんです、むしろ邪魔なんですよ、経済の面からみたら! 実に迷惑な話になってきてるんです。

日本の安全保障という意味だから、一定程度我慢しましょうという話であって、基地が私たちを助けてきたというのは、あの戦後の貧しいときに食料を与えてもらったという時にはあったかもしれませんが、しかもそれは日米両政府がやったことですので、私たち沖縄からするとそれは私たちの責任じゃありません。爆弾で産業も何もないわけですから、それに頼るわけしかなかったんですが、今はそのような形でライカムという新しいのも出来ました。

いわゆる跡地利用には、世界の資本がホテルを作りたい、何を作りたい、と県庁にもよく来るんです。何にも基地があるから前に進まないんですよ。これだけ迷惑をかけてるんだということをですね、日米両政府はよくわかって頂きたいんですね。仲井眞さんのときに、この経済効果を計りました。そうすると、安倍さんが今着々と進んでいますよと普天間や那覇軍港やそれからキャンプキンザーこれが返された時の経済効果、今基地関連収入が、500億円基地関連収入があります。 返されたら、どれだけの効果があるかということを試算しましたら、8900億円です。約20倍。普天間とかキャンプキンザーとか返されたら、20倍の民間の施設がここに立ち上がって、ホテルだとかいろんなもんが立ち上がってですね、沖縄経済はぐーんと伸びていくんですよ。これを基地があるから邪魔してるんですよ。だから基地で沖縄が食っているというのは、もう40年30年前の話であって、今や基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因だという事をですね、しっかりと皆さん方ご理解頂きたいと思います。

【批評.COM:沖縄経済の基地依存と言うとき、基地負担の代償としての振興資金(補助金)や沖縄に配分される防衛費(国の経費)をカウントして考えないと、正しい経済実態は把握できない。また、基地がなくなれば沖縄経済は繁栄するという考え方もある種の虚妄である。この点については小著『沖縄の不都合な真実』でデータを挙げながら詳しく説明している】

質問者: ジャパンフォーカスのジョン・ミッチェルです。 私の質問ですが、最後のお話に関連するんですが、基地が返還されますといろいろ土壌汚染などがあるんですが、その問題をどのように解決しようとしていらっしゃいますか。日本政府と一緒にどのようにされているんでしょうか。そして来週アメリカにいらっしゃるときに何をおっしゃるんでしょうか。

翁長知事: 私は、15年前の少女暴行事件のときに、抗議のため同じようにワシントンDCに行きました。で、カリフォルニアからサンフランシスコも行ってきまして、アメリカの基地閉鎖の状況を見てきたんです。 アメリカの基地閉鎖は、もうあの時で100くらい閉鎖したと言いますから、私たちが見てきたのは3つ4つですけれども、閉鎖をして、まず土壌を1メートル 2メートルくらい削ってですね、要は汚染されてますから、これをどこそこに持っていくんですね。そして、取った後に大きなタンクが出来ましてね、地下水を汲み上げて、きれいな水にして、15年も経たないと町は作らせないんですよ。それくらい軍隊の汚染というものは大変なものなんです。どこでもアメリカは環境問題をしっかりやって、なおかつそれ以上やった後にしか町づくりはさせません。

ところが、今の日米の地位協定は、アメリカ軍の中に私たちは入れないんですね。 入れない中で、ドラム缶からいろんなものが出てきたりしますので、環境問題だけでも調べさせてくれよと言うんですが、前向きに考えますという去年の協定はありますが、具体化はまだしてません。3年前から調べさせてくれということも言っていますけれども、当然まだ確定はしておりません。

そうするとアメリカ並みにするためには、15年前から土壌汚染についてそういう作業をしなければいけないのに、3年前に返して、「さあ町づくり今すぐしましょう」というのは、これは子供たちにとって大変なことなんですね。ですから、キャンプキンザーも那覇軍港も返されたら15年間は本当を言えば地下水から水を汲んで、きれいにして返して、きれいな土になってからじゃないと 町づくりは出来ないんですよ。

こういったこと等を考えますとですね、いかに今のやり方が理不尽であるか、ですから日米地位協定のそういう環境の条項を変えるとは言っているんですが、それさえも手は付けられない。 だから日本の独立は神話ではないかというのは、私は、自国民を守ることが出来ないようなそんな日米地位協定は、何にも触ることもできない日本が、日本を取 り戻すことが出来るのかということを先程申し上げたわけでありまして、そういった意味からすると、今の環境問題も大変な私は理不尽な状況だと思っております。

【批評.COM:翁長知事の日米地位協定に関する認識は概ね正しいが、基地返還プログラムとそれに伴う跡地整備のスケジュールは、返還プロセスが進まないと確定できない。返還プロセスの最大の阻害要因は、辺野古問題である】

質問者:香港衛星テレビのリーと申します。 今日本政府は中国の軍事力の増強に対して、「それは脅威だ」と言っていますので、したがって沖縄にあるアメリカ軍基地は絶対必要としてます。 知事に伺いたいのは、中国に対する見方、それは本当に脅威なのかこれからどう向き合うのか、それについて伺いたいです。

翁長知事:この中国の脅威でありますけれども、中谷防衛大臣と話をした時もですね、中国が脅威でどれだけスクランブルがあるかですね、どれだけ尖閣も含めて侵入があるか、だからそれぞれに基地を、自衛隊も、石垣も宮古にも与那国も置かなければいけないんだと、日本の安全保障を考えるためにこれは是非理解して もらいたいという話がありました。 で、私が申し上げたのは、私が27年間米軍の政権下にあったときのソビエトとの冷戦構造時代は、今の時代より平和だったんですか、と。過去と比べて、いわゆる今の中国の脅威というものはあの冷戦構造時代よりももっと脅威になってるかどうか、それから積極的平和主義ということで、オバマさんと協定を結んで、これから中東も視野に入れて、沖縄の基地を使うと言っているわけですよね。

そうすると沖縄は、冷戦構造時代のときは、自由主義社会を守るんだとか、そういった理由で沖縄の基地の存在価値があったのに、いつの間にか中国を相手にそして先々は中東も視野に入れてですね、沖縄に基地を置くということになります。 そうすると私たちの沖縄というのは、世界の平和のためにただただそれだけの基地をいつまでも預かって我慢しろ、というようなことになると思います。 そして、沖縄がそういうことで必要だというんですが、アメリカのジョセフ・ナイさんとかマイク・モチヅキさんとか、3年ほど前まではそういった日本の防衛に対して日米の安全保障について積極的に話をされていた方が何ておっしゃっていたかと言いますと、もう中国のミサイルが大変発達をしている、今アメリカの原子力潜水艦に20発くらいミサイルがあるらしいんですが、その20発のうちの1発の威力は、ヒロシマ、ナガサキの5000倍というんです。 5倍とかじゃないんです。そうすると中国はそれよりずっと下だとしても、おそらく500倍はあるんじゃないですかね。

この500倍のミサイルが、沖縄の普天間や嘉手納に飛んで来たら、沖縄県民もそうですが、アメリカの軍人軍属もみんな一発でやられますよ。 そうすると、やはり、グアム、ハワイ、サイパン、こういった所にですね遠いところから防衛をすべきだというのが、ジョセフ・ナイさんとマイク・モチヅキさんの話でした。ところが前知事が了解してしまったものですから、この論は今後ろに下がっております。下がってはおりますが、言ってることは正しいんですね。

ですから、この中国の脅威に本当に沖縄が基地を強化して対応出来るのか、これが私からすると大変疑問であります。なおかつオスプレイは、運輸、輸送するための飛行機でありますので、攻撃をするとかそういうものではございません。ですから、抑止力になるなどということはまずあり得ない。それから、この一県に、さっきも言いましたけれど、一県にですね、日本の防衛の全てを押し込めて、いざ何かがあると、本土が逃げて行ったら沖縄がまた戦場になるじゃないですか。 私は沖縄の保守の政治家として、子や孫を守るために、全体として平等にやるなら私はOKですよ。日米安保体制、認めますから。全体で平等でやるのはOKですけれども、74%を背負わせておいて、「お前たち、日米安保をなんと考えてるんだ」という話をする人は、私はよっぽど自制心のない人じゃないかと、このように思います。

【批評.COM:冷戦時代の極東地域での脅威も、やはり中国の脅威を中心としたものだったはずだが、知事は今あらたに中国の脅威が生まれたともとれる発言をしている。これは事実誤認である。また、中国のミサイルが飛んでくる可能性があるから、米軍のアジア太平洋地域における防衛線が沖縄から後退つつあると知事はいうが、米軍が沖縄から撤退すれば中国のミサイルは沖縄には飛んでこないのだろうか。つまり、中国の標的は米軍であって、日本ではないと言うことなのだろうか。
この議論が正しければ、米軍にはそもそも抑止力がなく、むしろ沖縄と日本をつねに脅威に晒していることになる。自衛隊の存在も知事の主張からは捨象されている。「日本の防衛の全てを沖縄に押しつけて」といった知事の指摘も事実誤認である。抑止力は軍事力や戦略などを総合した力と考えるのが一般的で、オスプレイだけを例に挙げて「オスプレイは抑止力にならない」という発言する姿勢にも問題がある。
知事の安保政策や軍事に関する認識は総じて正しいとはいいがたい】

質問者:ジャパン・タイムスの記者のヨシダと申します。 日本語で失礼します。2点あります。 私も普天間の返還問題ほとんど20年近く見てきていますけれども、ここ4、5年だと思うんですが、基地問題に絡んで、「沖縄の県民は日本の本土の人間に差 別されている」と、人種とは申しませんが、これは差別だ、と思うんですけども、これは明確な違いだと思うんですけれども、知事自身も以前の基地に対する返 還の態度を変えられたということも含めて、沖縄の県民の感情を本土に対しての感情を決定的に変えた何が一番重要なファクターだったのかと、差別と意識問題も含めて教えて頂きたいのがひとつと、沖縄の経済に対する、非常に楽観的な見方が出てきて、ここ数年間非常に新しい動きだと思うんですけども、ただ北谷町のアメリカンビレッジは成功例ですが、98年にオープンして以降、沖縄全体の小売りの売り上げは伸びてないと思うんですね。 沖縄の中の、経済の沖縄の中だけで、ゼロ-サム ゲームになっていて、必ずしも沖縄県全体で伸びてないと。 基地返還の最近の動きは、議論は大変喜ばしいことだとは思うんですけれども、沖縄県内のゼロ-サム ゲームになる恐れがあると思うんですけれども、この辺についてはどのような見方をしていらっしゃるでしょうか。

翁長知事:この20年来の基地問題の中で、差別とかそういう言葉が最近使われるということがありました。 おそらくその原点は8年ほど前の教科書検定だと思いますね。 ですから私は戦争のことについて申し上げません、と申し上げましたけれども、あの時の「沖縄が日本国民になるんだ」と「立派な日本国民になるんだ」という ことで、日本軍と共に戦いました。戦いましたけれども、現実に現場では、地上戦ですからお墓に逃げた沖縄の人をお墓から出して、日本軍が隠れる。足手まといだから、手りゅう弾をあげて、自決を迫る。こういったことを私たちはおじいちゃん、おばあちゃんから聞かされて来たんです。

しかし実際はそういった教科書検定に書かれていたものをそれを消そうとしましたので、消そうとしたときにあの教科書検定というのは、仕組みから言っても何か ら言っても大変難しいものですので、沖縄の人が10万人集まって「それは出来ない」と。うちはおじいちゃん、おばあちゃんから、話は聞いてる。聞いてる中で、これを無かったことにするのはいけないよ、と。こういうことで、保守も革新も関係なく、あの時の集まりがありました。そして抗議をして、それは一定程度それは自制はされましたけれども、それでもあの時、沖縄があれだけ操を尽くして、日本の為に尽くしても、こういう形で歴史の教科書を変えるのかと。

こういうことになりますとね、沖縄からしたらこれは立つ瀬がない。私たちは、何を誇りにして、何を基盤にして、これから子や孫にしっかりと自分の足でこの沖縄の故郷の地に立ってですね、アジアに飛躍しなさい、世界に飛躍しなさい、日本国で頑張りなさい、こういうことが言えなくなります。

【批評.COM:翁長知事の教科書問題に関する発言は、日本軍がことごとく沖縄の人々を盾にして戦っていたような印象を与える。外国人記者に対する発言であることを併せて考えると、不適切のそしりを免れない】

ですからそれから以降、何かおかしいな、というのは、沖縄の人権の目覚めと同時に、世界の動きも同時に、アジアの経済的な成長も同時に、そういうものが絡み 合ってきて、私たち自身がある意味で自分の足で歩きたい、これが自己決定権とよく言われますけれども、独立とは違いますけれども、地方自治の在り方とか、そういったものをもう一回考え直さなきゃいかんということがあって、いわゆる、そういったことになったと思います。で、そういうことがあっても、基地の問題に関しては、ある意味で使いたくない言葉ですけれども粛々と沖縄県に置いていくと、そういうことがあるわけですから、私たちからするとこれはいかがなもんかという風に思っております。

(2点めの質問について) それから沖縄の経済の小売りの問題がありましたけれども、数字から見ますとGDPが確実に伸びてきております。それからいわゆる失業率も、前は2倍、3倍という形で悪かったんですが、今は、本土で4%だったら沖縄では6%と、1.5倍から1.7倍くらいになります。そしてこの、観光客の数を含め、沖縄が元気になってることは間違いないです。何故かというと、世界からの投資の金額が今はもう群を抜いて来ておりますので、この前台北にも行ってまいりましたけれども、向こうの経団連の方々とお会いをしましたら、沖縄には是非投資をしたいので、早めにひとつひとつの規制 を撤廃をして、させてもらいたいという熱烈なラブコールがありました。これはどこの国でもあります。ですから、こういったことを考えると小売りということ で話をされましたから、このひとつでどうなるか私にはわかりませんが、それ以外のいろんな数字では、沖縄は確かに力を付けたと言う風に思っております。

【批評.COM:沖縄経済の最大の問題の一つは、第2次産業の構成比が全国一低く、第3次産業に偏りすぎた産業構造にある。中国や台湾からの投資の打診のほとんどは、リゾート施設やショッピング・モールに関するもので、現在の産業構造の脆弱さを補うものとはならない】

司会:では、残り5分です。 翁長先生、10分くらい延長してもよろしいでしょうか。 (知事、頷き了承する)
では、質問を手短にひとつに留めてください。

質問者:赤旗の記者のタケシタです。 オスプレイについて伺います。 知事の抗議にも関わらず、昨日沖縄本島北部でオスプレイの飛行が確認されました。建白書のもう一つのポイントであるオスプレイの配備撤回ということを訪米で訴える気持ちはありか、どうか。それから横田基地へのオスプレイの配備が今大きな問題になっています。あれだけ事故を起こしている航空機を沖縄であれ、 日本のどこであれ、配備するということは、もし事故が起こればこれは日米同盟に対する大きなリスクであろうと思われますので、沖縄だけにとどまらず、日本全体へのオスプレイ配備の問題をどう考えるか。日米同盟は大事だという観点から見解を聞かせてください。

翁長知事:オスプレイの配備でありますけれども、これの原点も実は日米地位協定と関わりがあるんですよ。日米合同委員会でオスプレイの運用規定がございます。それはどういうことかというと、市街地ではヘリモードでは飛ばない、あるいは夜の10時以降は飛ばない、こういったような規定があるんですね。この規定があるんですけど、この規定の次になんて書いてあるかというと、先程「2025年の”その後”」の免責条項がありましたでしょ、この場合には何て書いてあるかというと、「出来るかぎり」と書いてあるんですよ。「市街地は飛ばない、夜10時以降は飛ばない、出来るかぎり」と書いてあるんですよ。ですから最初の1年間沖縄県が調査をして、300件ありますよといったらね、「努力してると思いますよ」「出来る限りやると言ってましたから」と。それでは何のものにもならないんですよ。ですから日米地位協定はこういうもんだというのが沖縄県ではみんなわかるんですよ。本土の方々は分からない。どれだけ独立国家というものが、これだけ日米地位協定を含め、横田もみんな、フィリピンもミャンマーも失礼ですけど国力が小さい方がむしろ絶対にアメリカは許さない、それはさせない、あるいは中国にはさせないとか、こういう自立の気持ちを持ってるんです。日本だけが、これが日本の安全保障、いわゆる戦後70年間高度経済成長もやってきて、その中でアメリカと一緒に栄えていく。それはそれでいいですよ、栄えていくのは。しかし現実に日本国民には、オスプレイの弊害ですとかみんなあるわけですから、こういった意味でもこの配備というのはおかしなことになっております。

それから横田基地も、先ほども申し上げたかもしれませんが、いわゆる沖縄への配慮と言っているんですよ。何故かというとですね、この横田基地への配備は、CV-22は、これを支える部隊は嘉手納にあるんです。500名くらい兵隊がいまして。ですから本来は沖縄に来たいんですけれども、新辺野古でもこうしてゴチャゴチャしてますので、そこの CV-22を沖縄に持ってきたら、余計に反対運動が起きたらいかんということで、横田に仮置きしてるんです。仮置きして、落ち着いたら沖縄に来るという、 私たちは70年間やり方を見てますから、それは間違いなくそういうことになるだろうと私は思っております。だけども、今なってないものに対して文句言うわけにいきませんから、そういう形で思っておりますけれども、ですから日米の安保体制、日米同盟というものはですね、本当に日本国民にとって品格のある誇れるものかというのは、経済的ものとか日本の安全保障という面ではあるんでしょうけれども、人間の尊厳というものとしては生き方として日本を取り戻す、そういったものの中で満足できるものになっているかといえば、このオスプレイの問題としても私はあるのではないかなと思っています。

【批評.COM:赤旗記者の質問は、オスプレイの配備が(その危険性故に)日米同盟にとって弊害となるのでは、という回答をあらためて引き出したかったように思われるが、知事は「人間の尊厳」というところに結論を収斂させている】

質問者:ニコニコ動画のナナオと申します。どうぞよろしくお願いいたします。先程知事からもございましたように、各種メディアの世論調査で沖縄の問題が10ポイントほど反対であると、徐々に関心が高くなってきているのは事実だと思います。日米安保、日米同盟の観点から考えますと、日本国民の関心が高まってきている一方で、この問題を果たして米国民がどれほど認識されているのかということが、実は我々、というか、私はわかりません。で、訪米を前にして、日米安保の観点から米国民の関心について、どうお考えか、お聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。

翁長知事:地元紙もワシントンの方にそれぞれ記者を派遣したりして、ワシントンの情勢なども送ってくれます。そしていろんな方々から聞きますと、いわゆる向こうの国を預かる上層部の人は、 そういった問題についてアーミテージさんもキャンベルさんもマイケルグリーンさんなんかにしても、いろんな考え方を持っていてやってます。ところが米国民 からしたら、世界のアメリカですので、やっぱりそういう関心から言うと、日本に対してもないだろうし、沖縄という意味でも、何も今の新辺野古があるかないかということは別にして、アメリカの世界におけるいろんなところで、戦場の中でやっている状況をみると、ま。それもあるのかなぁ、と思います。

だがしかし、沖縄からするとそういうわけにもいきませんので、その意味では日米安保体制というのはアメリカにとっても重要だと思いますから、新辺野古基地に、日本が拘ったのか、両国が拘ったのか言えませんが、いずれにしろ新辺野古基地が作れませんよ、作ることは不可能ですよと、10年かけてそこに出来るということはありませんよ、と。そして10年間あの普天間を固定化するんですかと、こういうようなこと等も含めて、これは訴えて来なければいけないなぁと。

で、 これは、確かに米国世論にも訴えなきゃいけません。しかしそれは、ある意味で、マスコミとの関連で何かお知らせすることが出来るかどうかということには なっても、私たちのパワーではそこまではいきませんけれども、しかし、しっかりと米国を握っている方々には伝えることは出来ると思いますので、その点はしっかりと伝えて、もう一回この日米安保体制を品格のあるものにするために、新辺野古基地は考え直してくださいと。日本に考える余地があるかないかですね、これもわかりにくいことでありますけれども、しかし、今のままでは行きませんよということだけは、私はしっかり伝える中で、この沖縄の基地のしわ寄せを解決すると同時に、これからのアジアの生き方、そして沖縄が将来平和の緩衝地帯としてこれから頑張っていくと、そういったものがいい形で組み合わせが出来るように頑張っていきたいなとそういう風に思っております。

司会:もうひとつよろしいですか? (翁長知事、頷き了承)

質問者:本日は来て頂き、ありがとうございます。香港フェニックステレビのリーと申します。知事が先月中国を訪問され、中国の総理とお会いされたと聞いています。その時の感想をまずお聞かせください。それから、いま、日中の間に尖閣諸島をめぐる摩擦がまだ続いてる状況なんですが、この尖閣諸島の事を含めて、 知事は日中関係の現状をどのように見ていらっしゃるか、沖縄としては今後中国とどのように付き合っていきたいのかを教えてください。

翁長知事:李克強(リ コクキョウ)総理と、お会いをしたのはですね、今私は基地問題ばかりでこういう形で表に現れてますけれども、沖縄はアジア経済戦略構想ということで、アジアのダイナミズムな成長著しいダイナミズムを取り入れて、物流拠点あるいは情報通信産業、あるいは国際観光リゾート、こういったものをいかにしてアジアの中心にするかということで、今一所懸命動いております。ですから、その一環としてですね、北京にも行きましたし、帰ってきて2、3日おきましたら、台北にも行って参りました。その時に北京に行った理由は、アジア経済戦略構想という中で行ってまいりまして、河野洋平さんが戦後40数年に亘って、日中友好の貿易の交渉のために連続して行っていたものを、評価して頂いて、私も河野さんとは長い付き合いなもので、ご一緒させてもらえませんかということで、アジア経済戦略構想の中で行ってまいりました。そしたら、李克強さんがお会いになるというのはその前日にしか分からなかったんですね。 向こうは最後までわかりませんので、前日にわかりました。

そうしましたら河野さんが、沖縄のこれからの観光問題、あるいはまた貿易問題、私が時間を割いてあげるとので、喋ったらいいですよという話をしましたので、李克強さんに福州との歴史的な縁を申し上げて、直行便を定期便を飛ばして頂きたいと申しましたら、その3週間後に許可が下りました。そして、福州に自由貿易地域ができたということで、アジアにも特区があるから、それを是非これから、させていただきたいという事をいいましたら、是非頑張ってくださいということで、それくらいの言葉でありましたけれども、理解を示してくれたのかなぁという風に思っております。ですから、難しい問題は河野さんが話をしましたので、私は沖縄と特に福建省福州市とのですね、ものの中で、アジア経済戦略構想の一環としてですね、話をさせてもらいました。

それから、さきほど沖縄は平和の緩衝地帯になりたいという話をさせて頂きました。先程、基地と経済の話もありましたけれども、13年前のニューヨークのテロですね、ビルに飛行機が突っ込んでいったやつですね、あれは私たちからしても遠い国の出来事で、なんでもないと思ったんですが、すぐ1週間目、2週間目から沖縄の観光が3割4割と落ちていったんです。いわゆる米軍基地があるから、修学旅行が止 まったりして、あれから抜け出すのに2、3年かかりました。「大丈夫さー沖縄」キャンペーンと言ってですね、日本国中回って観光客をもう一回引き戻したんですね。

【批評.COM:9・11以降に観光客が激減したというのは事実だが、沖縄だけでなくアジア地域の主要なリゾートも軒並み観光客が激減している】

で、 尖閣の問題は、私も日本国の固有の領土だと思っておりますけれども、しかしながら、これをですね、尖閣で万が一、今のような状況の中で小競り合いが起きましたら、私は石垣観光が一番今順調で、今100万人の観光客が来てますけれども、そこでちょっとしたイザコザがあったらおそらく、風評被害でさえ4割落ちるわけですから、100万人の人が10万に落ちると思っています。ですから、尖閣でですね、イザコザは起こしてもらいたくない。ですから、何はともあれ、平和で我慢してですね、平和というものの中で尖閣というものを考えていかないと、これを勇み足で、やってしまった場合には、私は取り返しがつかないと ころまで行くのではないかという意味で尖閣につきましては、是非とも平和裏、何が起きても平和裏というようなものを考えて解決をして頂きたいというのが、 沖縄の立場としてはございます。

司会:ありがとうございます。 まだ手を挙げていらっしゃる方がいますが、時間がなくなりました。今日は沖縄県の翁長知事にお出で頂きましたことを、そして大変率直なご意見を頂きましたことを感謝申し上げます。この6か月ほど、知事がお見えになるまで6か月間私たちは待ちました。けれども、これからまた間もなく再びここにお迎えできることを期待しております。ということで、是非知事に大きな拍手でお送り頂きたいと思っております。 みなさん、知事が退出するまでの間、席についたままでお願いいたします。

以上

質疑応答の前に行われた翁長知事スピーチ全文も是非あわせてお読みください。
外国特派員協会での翁長知事スピーチと質疑応答(全文)Vol.1

批評.COM  篠原章
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket