「責任者出てこい!」首里城訴訟原告団 プレスリリース(8月16日)公開

新聞などで既報の「首里城火災の管理責任を問う沖縄県民の会」が8月16日に発表したプレスリリース(一部編集)を公開します。詳しくは、SAKISIRUへの篠原の寄稿を参照してください。

首里城火災の管理責任を問う沖縄県民の会 プレスリリース(2021年8月16日)

◎記者会見概要
8月16日(月) 午前11時 沖縄県庁記者クラブ
首里城火災の管理責任を問う沖縄県民の会
原告共同代表 金城ミツ子(宜野湾市民) 石岡裕(那覇市民)
事務局長   錦古里 正一(宜野湾市民)
弁護士    徳永 信一(大阪弁護士会)

◎住民訴訟の趣旨「責任者出てこい!」

全世界に衝撃を与えた首里城火災。「沖縄県民のアイデンティティが失われた」「心に穴が空いた」という悲痛な声まで聞かれた悲劇的な火災であったにもかかわらず、出火原因は不明とされ、首里城を直接管理していた美ら島財団も行政(沖縄県と国)も、何の責任を取らないまま今日に至っている。

納税者たる県民の常識から判断しても、約53億円の損害額は甚大であり、「誰も責任を取らない」というのは異常事態である。理解を超えた対応といわざるをえない。

◎具体的な管理責任

首里城火災には以下のような管理責任があると考えるものである。

  1. 警備員・監視員は異常を感知しながら、初期消火等の適切な対応をとれず、これにより延焼が早まった。
  2. 通報を受けて駆けつけた那覇市消防局を警備員・監視員は適切に誘導できず、消火活動に移るまでに時間を要した。
  3. 消火用貯水槽がすぐに枯渇し、放水活動が中断したことで延焼が早まった。
  4. 焼失した首里城城郭内には、重要文化財を含む歴史的価値の高い文化財が展示・収蔵されていたが、スプリンクラー等それに見合う防災設備が設置されていなかったために大きな被害を被った。
  5.  建築基準法上工作物にすぎない首里城正殿等に、上記のような文化財を無防備に展示・収蔵するという判断がそもそも重大な過失である。
  6. 火災の2年前の平成29(2017)年12月22日に、那覇市消防局から首里城正殿等の防災上の欠陥を指摘されていたにもかかわらず、適切な是正措置を怠った(参考資料添付)。

上記のような美ら島財団の管理責任、行政の監督責任などを踏まえた上で、私たちは沖縄県監査委員に対して本年6月4日に住民監査請求を行い、美ら島財団が沖縄県に収めるべき固定納付金2億3千万円を県当局が9700万円に減額したこと等を県民に損害を与える行為であるとして訴えたが、監査委員は7月16日付けで、「却下」の判断を下した。

私たちは監査委員のこの判断には納得できない。したがって、那覇地方裁判所に対して、上記のような趣旨の住民訴訟を提起するものである。

令和3年8月16日

参考資料(2017年12月22日付け那覇市役所公式Facebookより)

 

 

批評.COM  篠原章
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