大久保潤・篠原章『沖縄の不都合な真実』もくじ掲載
Contents of “An Inconvenient Truth for Okinawa”
日本経済新聞元那覇支局長・大久保潤さんと篠原の共著『沖縄の不都合な真実』(新潮新書)が1月20日に発売されました。お陰様で好評、すでに重版となっています。
このコラムには、もくじを掲載しておきます。ご覧になり、興味が湧きましたら、ぜひご一読を。
不都合な沖縄の真実 (目次)
序章 沖縄はこれからどうなるのか
現実はきわめて複雑である/「心」「平和」以外の議論を/「総意」とは何なのか/沖縄ナショナリズム/翁長知事当選の示すもの
第一章 普天間問題の何が問題なのか
普天間問題とは何か/普天間を巡る利権の構図/なぜ政府は辺野古移設にこだわるのか/建設会社の代理戦争だった衆院沖縄一区/振興策というエンドレスゲーム/新たな取引材料となる「自衛隊配備」/「海兵隊の代わりに自衛隊を」でも変わらぬ本土依存/税金の還流システム
第二章 高まる基地への依存
活発な普天間誘致の動き/基地返還に反対する名護市/辺野古の分断/なぜ「基地を返さないでほしい」という声が出るのか/今も続く「ギブ・ミー・チョコレート」/米軍にとって「居心地のいい」沖縄/アメリカの戦略的支配からの脱却/軍事基地の83パーセントは本土にある/基地被害を都道府県レベルで比較するナンセンス
第三章 「基地がなくなれば豊かになる」という神話
誤解を与える「経済効果」という概念/「年率14パーセント」という空想的な経済成長率の根拠/驚くべき計算過程の欠落/基地がなくなっても豊かにはなれない
第四章 広がる格差、深まる分断
「下流の宴」の実態/振興策は大企業のみを潤す/日本一の階級社会の実態/「結」(ゆい)の崩壊/琉球大学OBという「支配階級」/辺野古も高江もエリート同士の戦い/左翼がいない不幸/権力べったりの新聞/辺野古に仕事を/分裂前夜
第五章 「公」による「民」の支配
反戦平和の島・癒しの島の貧困/「全国最低の県民所得」が意味するもの/深刻な所得格差/公務員は沖縄の富裕層/百姓二人が氏族一人を養った琉球時代/革命的な公務員改革だった「琉球処分」
第六章 本土がつくったオキナワイメージ
沖縄の声を支える本土の知識人/大江・筑紫的沖縄観を自ら振る舞う沖縄人/「戦争を基地の島」という幻想/「自然の楽園」という幻想/「応援しよう」という根本的な傲慢
第七章 「沖縄平和運動」の実態と本質
普天間基地ゲート前の示威行動/沖縄平和運動センター/基地反対運動を動揺させた普天間基地返還合意/県民投票はなぜ行われたのか/「基地反対集会に一〇万人」の真偽
第八章 異論を封殺する沖縄ジャーナリズム
ドキュメンタリー作家・上原正稔/「パンドラの箱」事件/大江賠償訴訟/訴訟になった「パンドラの箱」/「パンドラの箱」を報じないマスコミ/自費出版拒絶問題
第九章 「構造的沖縄差別論」の危うさ
「沖縄人」と「日本人」/「部落解放同盟」の機関誌で展開/沖縄内部の矛盾を覆い隠そうとする知識人たち/構造的差別論を支持する「日本」の識者
あとがき
主な参考文献